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大和白門会支部

ミャンマー雑感


 1993年9月から約3年間、在タイ日本大使館に勤務し、国際機構班長としてバンコクに本部を置く国際機関を担当した。最大の機関はESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)。日本は最大の任意拠出国であり、私はファンドマネジャーとして数百万ドルの任意拠出金の運用を主査した。また会議出席等のため色々なところに出張した。インド、カンボジア、ベトナム、中国など。そしてミャンマーも。
 首都ヤンゴンで会議があり、その合間に在ミャンマー日本大使館のビルマ語専門の書記官に市内名所を案内してもらった。仏教国だが寺は黄金に輝き仏像も金や原色の総天然色、壁の仏画も最近描いたように艶々している。色が褪めてくると上から塗り直すので絵柄や表情が少しずつ変わってくるという。塗りが剥げ、色が褪めても当初のまま保存する日本人の目には流行りのテーマパークに来たかと眩い。
 アウン サン スーチーさんの自宅周辺も訪れた。今も又そうだがその頃のスーチーさんは自宅軟禁中。でも定時に自宅前に集う支持者を前にスピーチをしていた。盆踊りの櫓のようなスピーチ台が自宅前に設えてある。話題はその時々のトピックらしい。案内の書記官が概要を教えてくれたが内容は覚えていない。路上を埋め尽くす民衆は静かに聞き入っており、スーチーさんは講話や説話の様に静かにしゃべっていた。スピーチの終わりに「今日はこれくらいにする。軍との約束は守らなければいけない」と締めくくったことを今も覚えている。軍もスーチーさんの人気を封じることは出来なかったのだろうか。死者の出る市街戦で先の見えない昨今のミャンマー情勢のニュースを見る度、自宅前でスーチーさんのスピーチに聞き入っていた民衆のことをふと思い出す。

(香川 美治)

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