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期待の新学員インタビュー

今年、中央大学を卒業する“新学員”に、中大への思いや夢などを語ってもらう。

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海外でも注目の研究 きっかけは「面白そう」という好奇心

2015年(平成27年)6月10日

大学院理工学研究科 博士前期課程 応用化学専攻修了
弓削秀太(ゆげ・しゅうた)さん

大川智矢 ナノチューブに関する論文が、イギリス化学会の雑誌『Chemical Communications』に掲載、さらに研究内容のイメージ図が同雑誌の表紙として採択され、広く紹介されるなど、その研究が海外でも注目を集めた。平成26年度学員会会長賞受賞。

--小松研究室ではどのような研究をされていたのですか?

「ナノチューブ」というタンパク質でできた物質を合成し、それを応用する研究に携わっていました。小松研究室では、このチューブによるB型肝炎ウイルスの捕捉に成功していましたが、私は生物を捕捉してみたいと思ったのです。自己増殖する能力を持つ大腸菌をつかまえられたら面白いのではないか、と。さらに、その技術が役立つ場面もあるだろうと考えました。例えば、海外では「水道水には大腸菌などの細菌が入っているから、そのまま飲んではいけない」と言われます。大腸菌を捕捉できるナノチューブがあれば、簡単に汚水浄化ができるはずです。
 小松研究室に入ったのは、もともと何か人の役に立つものを作りたいという気持ちからでした。大学院進学の際に、「自分はこれを作っているんだ」という明確な目的を持てる研究をしたかったのです。そういう意味で、小松先生が行っている人工血液や薬物運搬体の開発は、私にとってまさに理想的な研究でした。
 大腸菌を捕捉できるナノチューブの作製には、さまざまな苦労がありました。大腸菌を捕捉するには、既に成功していたナノチューブよりも、直径をひと回り大きくする必要があります。しかし、単に大きくするだけでは上手くいかず、厚みを変えるなどの試行錯誤を重ねて作り上げました。

--その成果は海外でも紹介されて、先生と一緒に国際会議にも参加されたとか。

 まさか海外のサイトに自分の論文が紹介されるとは思っていませんでした。研究を行っているときは単純に、「大腸菌をつかまえられたら面白そうだ」という興味のほうが大きかったのです。大腸菌の捕捉を確認できて、小松先生と論文作成に取り組みました。それがイギリス化学会の雑誌に掲載され、さらにいろいろなところでニュースとして取り上げられ、初めて「すごいことをしていたのだなぁ」と、その成果を自覚したという感じです。
 小松先生に連れて行っていただいたドイツの学会では、私が最年少の参加者。大人の中で、たどたどしい英語で一生懸命に発表をしました。海外に行って感じたのは、考え方の違いです。日本ではマスターで終える人が多いのですが、海外ではドクターに進むのが当たり前。小松先生から聞いていたことを、海外に行って再認識しました。

--研究以外で何か打ち込んだことはありましたか?

 大学時代は学園祭の実行委員会に入っていました。その3年間は、学校の職員の方々や、普段は接点のないような団体の方々と話す機会も多く、勉強以外のさまざまなことを経験できました。
 研究室に入ってからは、面白い研究がたくさんできて、国内外の学会に参加する機会も数多く与えていただきました。充実した学生生活を送ることができたのは、私をしっかりと見守りながら、可愛がってくださる先生に出会えたからだと思っています。

--卒業後の進路について教えてください。

 フィルムやポリマー関連の化学系メーカーへの就職が決まっています。タンパク質とは異なりますが、私は何を扱うかという点よりも、「モノづくりをすること」にこだわって、進路を決めました。生活の中で見かけるもの、使われるものを作る会社という視点で選ぶと、必然的にポリマー系の会社になりました。
 4月から研修などもありますが、職種は技術職ですから、これまでと同じように一生懸命に勉強もしていきます。研究室でのモノづくりがとても面白かったので、社会に出ても続けていけたらいいなと思っています。

--将来に向けて、どのような夢や目標をお持ちでしょうか。

 世の中の役に立つものを作るのが、私の夢であり目標です。就職先は、農業用資材やペットボトルに巻くフィルムなど、さまざまなものを扱っています。身近で見かけるものをメインに扱っていることに魅力を感じて、入社を決めました。例えば、コンビニで手にとったペットボトルに、自分が作ったフィルムが巻かれていたら嬉しいですよね。日々の買い物をするだけで「これが自分の仕事なのだ」と実感できるはずです。
 大学と企業とでは、人間関係や制約の度合いなど、多くの違いがあります。しかし、人の役に立ちたい、モノづくりが好きという気持ちは同じです。今後もその情熱を持ち続けていきたいと思っています。

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