井上 英治ゼミ
Eiji Inoue seminar

演習テーマ『憲法解釈論と憲法訴訟』

憲法解釈は、憲法裁判(憲法訴訟)をにらんで行われなければなりません。憲法訴訟は、誰が、どこで、どのようにして、またどのような場合に提起できるのか、また憲法訴訟において、裁判所は何を基準として、また何に配慮して憲法判断をすべきなのか、が問題となります。また憲法訴訟は、憲法に対する深い理解があるだけでは適切に進めることはできません。民法や民事訴訟法、行政法といった隣接部門への理解も相当程度要求される分野です。

憲法はわずかに100箇条足らずの条文から成っていますが、一つ一つの条文が数百年の歴史を経て誕生したものであって、その政治的・規範的意味は深く、また時代とともに意味することも変化する性格のものです。そこに憲法解釈の難しさがあるといえるでしょう。憲法は、よく「入りやすい分野」だと言われますが、同時に「出口が見つからない分野」でもあるのです。今日の憲法学者が何を考え、何を悩み、何を模索しているか、可能な限りゼミの中でとり上げ、スケールの大きな憲法解釈能力と憲法感覚を身につけることを目指しています。

具体的には、憲法改正論、国民主権と代表論、憲法史、憲法無効論と押しつけ憲法論、憲法と自衛隊、天皇制、憲法と政党、国会と内閣の関係、衆議院の解散、地方自治論といった統治の基本構造にかかわる問題のほか、裁判所の地位、司法権の本質、アメリカ型違憲審査制、事件争訟性、統治行為論、成熟性の法理、ムートネスの問題、憲法判断回避、適用審査と法令審査、適用違憲と法令違憲、合憲限定解釈、違憲判決効力論といった憲法裁判に不可欠なテーマを扱っています。また、それに関連して、表現の自由、経済活動の自由、選挙権、平等権、生存権といった重要な基本的人権の問題もとり上げています。
今日の憲法理論の水準に則って自由に憲法の議論ができる実力をつけることに最大の主眼をおいており、学年末には一定の試験を行い、その結果に基づいて成績評価を行っています。ゼミ参加希望者は、ゼミ説明会に参加して私の説明を聞くことをお勧めします。

毎年、ゼミ参加者は公務員志望者が多く、かつ、その職種も各省庁、県庁、市役所、裁判所など多方面にわたっています。互いに情報交換しながら切磋琢磨してほしいと思っています。

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