八田 幸二ゼミ
Kouji Hatta seminar

演習テーマ『現代の政治・経済思想 ―「政府」の果たすべき役割をめぐって― 』

メッセージ

20世紀後半以降、イギリスやアメリカ、そして、わが国でも規制緩和や公営企業の民営化などをスローガンに「小さな政府」の実現が目指されてきました。しかし他方では、政府は自由市場へ積極的に介入して失業や経済的格差を是正するとともに、安定的な経済社会の実現を目指すべきだということも主張されています。

私たちは、政府の役割に関する考え方の対立をどのように理解すればいいのでしょうか。また、「小さな政府」と「福祉国家」では、どちらがいいのでしょうか。そして、今後の経済政策や社会保障制度は、どのようにあるべきなのでしょうか。八田ゼミでは、こうした政府の果たすべき役割に関する問題を「数式」や「グラフ」を使った経済理論によってではなく、私たちが日常使用している「言葉」によって表現された「政治・経済思想」を通じて検討しています。

また、この八田ゼミでは、現代を代表する経済学者たちや政治学者たちの「政府」や「市場」に関する思想を研究するとともに、「女性に対する政府の就労支援のあり方」、「少子・高齢化対策」、「若年失業者対策」、「生活保護とベーシック・インカム」、「外国人労働者の受け入れ」、「公営企業の民営化の是非」といった現代の日本における諸問題も研究しています。

活動内容・ゼミ紹介

毎週のゼミ授業では、ゼミ生の皆さんと相談して選んだテキストを輪読形式で検討し、ディスカッションを行ないます。具体的には、「報告者」や「司会者」を決めて内容について話し合っていきます。そして、ゼミでの報告は、ゼミの開始時期に受講する講習会で習得した「パワー・ポイント」を使用して行なわれます。もちろん、毎回のゼミは、ゼミ生の人数を考慮して一人だけに負荷がかかり過ぎないようにしながら進められますので安心してください。

また、「自由市場」や「政府介入」に関する外国のドキュメンタリーを観たり、サッチャー政権以降のイギリスで「小さな政府」路線が推し進められていた時代の雰囲気を感じ取るために、例えば『ブラス!』、『リトル・ダンサー』、『フルモンティ』、『パレードへようこそ』、『わたしは、ダニエル・ブレイク』といったイギリスのヒット映画をゼミ生に観てもらったりもしています。

それから、このゼミでは、特にゼミ生の皆さんの「ディスカッション能力」の向上に力を入れています。現在、多くの企業が求めているのは、単に「プレゼンテーション」が上手いというだけではなく、他者とコミュニケートして、有効なディスカッションができる人材へと変わっています。他者と有意義なディスカッションを行なうためには、他者の意見を的確に把握し、自分の意見をわかりやすく表現して相手に正確に伝える能力が必要とされます。しかし、そうした能力は、場数を踏まなければ手に入れられるものではありません。その経験を積む場こそが、ゼミだと思います。

銀行員や証券マン、公務員などを目指す人にとって、経済や社会のあり方に関する自分なりの意見をもち、それを他者に伝えることができるようになることはとても重要なことです。なぜなら、「就職活動」の面接で現在の経済社会に対する意見を問われたとき、はっきりと論理的に意見表明できれば高く評価されるに違いないからです。

ディスカッションの「経験不足」や「引っ込み思案」が原因でうまく自分の意見をアピールできないというのでは、明らかに損です。人生を左右する「就職活動」の面接で、ゼミでの研究内容を問われることがあるでしょう。また、「就職活動」中に他大学の学生たちとのグループ・ディスカッションに参加して自己アピールをしなければならない場面もきっとあるに違いありません。そんなとき、ゼミでの経験を活かして正々堂々と自分の意見を主張できる、そんな学生にこの八田ゼミの皆さんにはなって欲しいと思っています。

毎回のゼミ授業でのディスカッションの成果として、加入時にはシャイだったゼミの先輩たちの多くは、厳しい「就職活動」を勝ち抜いて銀行員や証券マンになったり、県庁や市役所に採用されて公務員になったりしています。自分のことを「引っ込み思案」で「恥ずかしがり屋」だと思っている経済学部生の皆さん、ぜひこの八田ゼミで一緒にがんばっていきましょう!

授業時以外の活動・レクリエーション

毎週の授業以外では、ゼミ生の皆さんの提案によって「懇親会」、「レクリエーション活動」、「サブゼミ」などを行ないます。また、当ゼミでは、毎年「ゼミ合宿」をゼミ生との相談のもとで行ないます。合宿は、各種行事によって仲間同士の親睦を深め、日頃のキャンパスでは見ることができない各ゼミ生の真の姿をお互いに知ることができるいい機会です。合宿では、真剣に勉強し、レクリエーションなどを通じて親睦を深めています。
また、日本学生経済ゼミナール主催の討論大会(インナー大会やインター大会)に積極的に参加して欲しいと思っています。

この八田ゼミでは、ゼミの「ルール」を守ることができる人でありさえすれば、経済学に関する「予備的知識」があるかないかは一切問いません。心理学、文学、歴史学、哲学、政治学といった経済学以外の学問、そして、映画、絵画、音楽、小説といった芸術に興味があるという人も大歓迎です。多くの経済学部生が、この八田ゼミへ入りたいと思ってくれることを願っています。

教員プロフィール
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