文学・芸術


タッチ


タッチ
距離を巡る


ゲイブリエル・ジョシポヴィッチ 著 
秋山 嘉 訳


・A5判・上製 272頁
・定価 : 本体 2,700円(税別)
・ISBN 978-4-8057-5179-4
・発行 2018年

 小説というジャンルに生来備わる物語ることの困難・盲点を坐視することなく、その可能性を開く作品を作り出そうとし続けている英国の作家が、芸術の創造や人間が生きることにとって不可欠な「触れること」への接近の旅に出る。つかもう論じようとした途端消えるこの厄介な「タッチ」を、落ち着いた柔軟な思考を携え偶然の導きにも助けられて手探り行く道に、様々な人間的事象が現れる。収集・喫煙・巡礼・散歩による癒しへの求めには、依存、中毒、耽溺、侵犯、逸脱、無関心、自由の諸相が。ソポクレス、シャルダン、プルースト、モランディには、「芸術作品」からの解放の契機が。既存枠にとらわれない文章によって書かれた新しい批評の試み。



主要目次


1 手のレッスン
2 リンデンの木陰とアミアンの聖母
3 境界
4 手にすることとつかむこと
5 部屋
6 耽溺
   ――ひたる、はまる、おぼれる
7 侵犯
8 手のレッスン(二)
 9 Praesentia
  ──その場にいること、在し
10 御手触れ
11 距離の治療
12 距離の治療(二)
13 聖遺物
14 帯と川
15 「木に生えているガチョウ一羽、
  スコットランド産」
16 所有する力
17 ユダヤの花嫁
18 最初の歩み
19 運動メロディー
20 運動メロディー(二)
21 歩く人と世界
22 境界(二)
23 部屋(二)




著者紹介

ゲイブリエル・ジョシポヴィッチ
1940年南仏生まれ。少年時代をエジプトで過ごしたのち、イングランドに移る。オクスフォード大学卒業後、サセックス大学教授をつとめる。また、28歳での第一作以来作家として、小説を中心にノンフィクション、批評、戯曲(ラジオドラマ含む)など幅広い領域で常に意欲的な著書を発表し続けている。チョーサー、ダンテ、スターン、カフカ、プルーストらに特に親炙し、小説というジャンルの物語りの伝統・歴史、そして同時に困難を、批評的な理解を携えつつ創作の現場で引き受け、その可能性を開く作品を生み出そうとしている。





訳者紹介

秋山 嘉(あきやま よしみ)
1955年静岡県生まれ。東京大学教養学科イギリス科卒。中央大学法学部教授。トマス・ブラウンやジョン・オーブリーなど17世紀イングランドのエッセイストたちや同じ時代の収集(行為)についての論考、また訳書として『ヘミングウェイ釣文学全集 下巻 海』(共訳、朔風社、1983)、ジョシポヴィッチ『書くことと肉体』(紀伊國屋書店、1987)などがある。



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