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仕事も人生も有意義にする留学体験 白門会海外支部が大きな支えに

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仕事も人生も有意義にする留学体験
白門会海外支部が大きな支えに

2018年(平成30年)3月26日





 ますますグローバル人材が求められる昨今。文部科学省においても、2013年10月より留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」(以下、トビタテ)を実施し、日本の未来を担う人材の育成を行っています。そこで、トビタテの制度を活用して留学を経験した中央大学在学生2人と、海外で得た経験をもとに活躍する学員2人をお呼びし、それぞれの体験や留学の有用性などについて、世代を超えたクロストークを行っていただきました。学生の留学に対して、学員として何ができるのか、そして学員会本部は何をすべきかを考える機会となりました。

それぞれの留学体験

――まずは皆さんの留学の概要からお教えください。

藤林 トビタテを活用し、イギリスのマンチェスター大学に留学しました。ビジネス・ファイナンスを中心に学び、スポーツビジネスの市場やベンチャー企業の動向を調査。実践活動として、ドイツのサッカークラブへのインターンや、米国ハーバード大学で開催された世界のトップ企業のビジネスマンやトップ大学の学生が会するカンファレンスなどにも参加しています。

勝山 トビタテ5期生・新興国コースの一員として、タイに留学。バンコクにあるチュラロンコン大学で、主に国際経済学を学びました。実践としては、中古車ビジネスをこれからどう発展させていくかを研究したかったので、現地にある日本の自動車関連企業にインターンさせていただき、市場調査の結果をプレゼンして留学を終えています。

齋藤 私は昔から政治家志望だったこともあり、大学生時代は選挙に関わる活動に奔走していました。4年生のときに応援していた方が落選したことを機に政治家になるため、視野を拡げるべく卒業後に世界の国々を働きながらまわりました。当時は、特に安全保障やパレスチナ問題に興味があったので、ヨーロッパ滞在後にイスラエルへ渡り、労働力を提供する代わりに衣食住が保証される農業共同体で1年近く過ごしました。その後はインドやネパール、南北アメリカ大陸などへ。約2年がかりで、世界をまわっています。

金井 大学2年のときに、中国の西安にある西北大学に留学していました。きっかけは、所属していた辞達学会の会室に張ってあったポスターの言葉「平成の遣唐使を求む」にビビっときたことでした。第二外国語で中国語を選択・履修したことや、地元の足利市が孔子の遺徳を通じてわが国の儒教の殿堂である史跡足利学校と深い関係を持つ山東省曲阜県(現・済寧市)と姉妹都市を結んでいたことも後押しに。2カ月という短い期間でしたが、人生のターニングポイントになっています。

留学への熱い思い

――藤林さんと勝山さんはトビタテを活用して留学されていますが、面接ではどんなことをアピールされたのでしょうか。

藤林 スポーツビジネスを一つのテーマにしていたのですが、その分野で新しい価値を生み出していくことをアピールしました。私自身が高校3年生まで水泳をやっていたこともあり、スポーツに恩恵を受けた人間として恩返しをしたいという考えがあったからです。スポーツのなかでもっとも人気のあるフットボールに焦点を当て、さらにフットボールがとりわけ盛んなマンチェスターやマインツで最先端のサッカークラブ経営を学ぶことや、その経験をふまえて、日本のスポーツビジネスをよりよくしたいという熱意をぶつけました。

勝山 面接でアピールしたのは、総合商社の商社ウーマンになりたいという夢です。だから何が何でも海外に行きたいという情熱を前面に押し出しました。私も高校で水泳をやっていて、国体優勝経験があったので、「根性あります」と念押しも(笑)。タイを選んだのは、ゼミの担当教授がチュラロンコン大学で客員教授をされていたこともあり、タイの将来性に興味を感じたからでした。欧米への留学も考えましたが、これからの時代に商社ウーマンとして活躍するためには、東南アジアで生きていける女の人になることが重要だと思い、決断しました。

金井 お2人の話を聞いていると、留学前の準備がとても勉強になったことを思い出しました。私も日本中国青少年交流協会からの派遣で留学をしていますが、やはり目的意識がはっきりしていたほうが有意義な時間を過ごせます。トビタテの採用プロセスは、非常に効果的だと思います。

――実際に留学して感じた、トビタテの魅力は何でしょうか。

藤林 世界各国で、多種多様な生き方をしている方々に会えることだと思います。イギリスで火山の研究をしている方もいれば、ラオスで掛け算の歌を広めている方もいました。1人ひとりの個性や存在をそのまま認めてくれるのが、トビタテの大きな魅力だと思います。

勝山 トビタテコミュニティーは本当に魅力的だと思います。一方で資金的な援助においても、大学の奨学金とは差があります。現実的な視点から考えても、活用の価値は高いと思います。

齋藤 私は貧乏逗留だったので、うらやましいです(笑)。冗談はさておき、私も長期滞在したことで、国を超えた親友ができました。これは本当に得難い経験です。海外でいろいろな人と出会い、さまざまなことを経験すると、生きていくために大切な何かを見つけられると思います。

仕事に活きる経験値

――金井さんと齋藤さんにとって、海外での経験はどのような形で仕事に役立っていますか。

金井 現在は日本航空に勤めていますが、業務のなかで外国人スタッフとのコミュニケーションの面では役立っています。日本のよさを生かし、世界中のお客様のニーズを汲み取っていくためにも、自分の実体験を通して価値観の多様化に柔軟かつ迅速に対応していけるものと思います。

齋藤 私の前職は衆議院議員でしたので、ヨーロッパの先進的な社会保障制度を直に知ることができた経験は、党の政策づくりに役立ちました。そして現在では、企業・官公庁向けに海外危機管理や医療アシスタンスを提供する会社で、大学マーケットの営業をしています。私自身、海外でたくさん危険な目に遭ってきました。たとえば、南米で強盗にあったり、中東でバスの爆破を目の当たりにしたり……。そういった生の経験を下敷きに、オリエンテーションで危機管理の話をすることができています。

藤林 そのお話、留学する前に聞きたかったです(笑)。

金井 齋藤さんのケースは極端かもしれませんが、行かなければわからないことが多くあります。私は中国留学が初めての海外でしたが、成田から上海へ飛んだ後、西安までは3等列車で移動。そのときに近くの席の中国人から「盧溝橋事件を知っているか」と尋ねられました。当然中学校の授業で習っていますが、話をしているうちに彼らが教わった歴史と私たちが教わったそれが違うことに気が付きました。表面的なイデオロギーに捉われず、自国のことをきちんと知らなければ、真のグローバルとは言えないと痛感した瞬間でした。その経験をもとに、就活にはグローバルとローカルを掛け合わせた造語「グローカル」をつくって臨みました。現在でも変わらずそうした視座から仕事に取り組めているのは、あの気付きのおかげです。

サポートの重要性

――留学にはさまざまな学びがある一方で、日本の留学人口は減っているという統計もあります。その理由をどうお考えですか。

藤林 たとえば中大において、留学のために休学しようとすれば、多額のお金が必要になります。また、就活と時期が重なるために断念する学生も非常に多くいます。実際、留学×就活といったイベントを開催したところ、約180人が集まり、大教室に立ち見がでるほどでした。本当は留学したいけど、大学や社会の仕組みが無言の圧力となって、留学を躊躇させてしまっているケースが多いと感じています。

齋藤 日本の雇用環境は、確かに海外に出ることに影響を及ぼしています。私が海外で出会った欧米人たちは、高校を卒業し、進路をどう決めるかというタイミングで世界に出ている人がほとんどでした。人生をもっと自由に考えること、そしてそれを許容する海外の風土を、日本も学ぶべきかもしれません。

金井 就職前に海外へ出られる機会をどう提供してあげられるかは、重要な課題だと思います。

――勝山さんも藤林さんも留学と就活の時期が重なっていますが、どう対処したのでしょうか。

勝山 悩んだ末にキャリアセンターに相談したところ、バンコクに白門会があることを教えていただきました。そのため、現地法人で働く方や駐在員の方などとお話しすることができ、商社への思いが一層強くなりました。また、「キャンパスって今はどうなっているの」といった会話を留学先でできるとは思っていなかったので、楽しくもありましたし、安心感もありました。

藤林 僕も白門会の恩恵を受けました。「海外で活躍している中大生ってどんな人だろう」という興味から国際センターに連絡したところ、イギリスでサステナビリティの分野でコンサルティング業に従事されている方を知り、ロンドン支部でお会いすることができました。

勝山 もしあの時に白門会を知らなかったら、別の方法を考えたかもしれません。留学に行きたいと思う人全員にチャンスがあることを、そして、海外でも白門会というサポートがあることを知ってほしいですね。すると、もっと留学できる人や機会が増えていくと思います。

トビタテ! 留学JAPAN
2013年に開始した文部科学省主導の留学促進キャンペーン。意欲と能力を持つ日本の若者が留学に踏み出せる機運を醸成するとともに、官民一体で世界で活躍できるグローバル人材を育成するもの。主な取り組みである奨学金制度「日本代表プログラム」は、選抜方法もユニークで、学校の成績や英語力は一切不問。応募者自らが留学計画と実践プランを立案し、プレゼンテーションすることで合否が決まる。

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