理工学部

人文社会・語学教室

ouchi

早坂 七緒 / ハヤサカ ナナオ

理工学部人文社会・語学教室・教授

ブルノの地域研究

基本的には作家ローベルト・ムージル(1880〜1942)が1891年から1902年まで在住していたブルノ(ブリュン)の歴史的,都市的環境を調査するものである。しかし副次的にいくつかのテーマが見つかっている。ヴィラ・トゥーゲントハットは世界遺産に指定されているが,損傷が激しいため06年以来5年間観覧停止になっている。地盤が崩壊しており,抜本的な補強が必要である。日本の技術貢献の可能性がある。またシャンデリア産業の活用の可能性がある。ヨーロッパの屋内照明は白熱球が基本であり,蛍光灯は便所・風呂・台所でしか使用しない。日本の室内にもシャンデリア導入の可能性があるが,電圧・電流の相違のため改造が必要。しかしPL法の障碍があり,日本国内では改造できない。ボヘミア・グラスのシャンデリアをブルノ現地で改造し,日本(アジア)の富裕層をターゲットに輸入する可能性がある。もともとブルノにはドイツ工科大学があり,技術レベルは高い。スラチナ地区にダイキンが進出している。温暖化のなか,ヨーロッパ車にはカーエアコンがないのが普通であり,今後エコを配慮した車内冷房装置の製作販売の可能性は大きい。ズブロヨフカ工業団地(ブレン機関銃の生産地)は休業状態であるが,活用する企業を待っている。

【キーワード】

独文学 技術史 文化財・文化遺産 地域計画 援助・地域協力

ローベルト・ムージルの諸作品とハプスブルク帝国周辺部の研究

ローベルト・ムージル(1880〜1942)は長編小説『特性のない男』で知られる。その活動領域は旧ハプスブルク帝国領内にとどまらず,ドイツ,イタリア,フランスなどにわたり,終焉の地は亡命先のスイスのジュネーヴである。本研究においてはこれまで,クラーゲンフルト(オーストリア),ウィーン,ブルノ(チェコ),ボルツァーノ(イタリア),パライ(イタリア),ジュネーヴなどのムージルの住居を訪ね,計測し,住環境を調査した。また作品の素材となったと思われる伝承,史実などを掘り起こした。さらにブルノの州立図書館,市文書館,ウィーン国立図書館にある,ムージルの作品を掲載した地方紙のコピーを苦労のすえ入手し,国際ローベルト・ムージル学会に発表している。今後もドイツ,スイス,イタリアを中心に継続してゆく。

【キーワード】

独文学 ヨーロッパ 文学情報