理工学部

経営システム工学科

kinoshita

遠藤 靖 / エンドウ ヤスシ

理工学部経営システム工学科・教授

確率微分システムにおける可予測性について

システムの状態は過去の情報に基づいて決まるのが普通である。これに対して過去だけではなく現在・未来の情報までも取り入れてその状態が決まるようなシステムのことを(計算)可予測システム(computing anticipatory system)という。システムの状態が確率微分方程式で記述される場合,これを確率微分システムという。例えば,金融工学分野で扱われるデリバティブの価格決定問題において,原資の価格は前進確率微分方程式で記述され,デリバティブの価格は後退微分方程式で記述される。よって,両者の価格を状態と見なすようなシステムを考えるとこのシステムは可予測な確率微分システムの一例となっている。このような確率微分システムの可予測性について研究する。

【キーワード】

数理モデル

自動車タイヤの年間需要予測について

乗用車の取替タイヤ市場において車の流行や道路状況の変化に伴いタイヤのサイズ毎の需要に変化が起きている。約200サイズあるタイヤのそれぞれについて年間の需要量を予測するためにはこれまでの時系列予測では対応できない。本研究では,まず,システムの寿命と取替部品の寿命をもとにしてシステムに寿命がある場合の再生過程モデルを構築する。次に,この確率過程の再生関数から車一台の生涯における年齢ごとの部品の取替率を解析的に求める。そして車種とタイヤサイズの組合せに対して,車の寿命分布とタイヤの取替寿命分布から年齢ごとの取替率を算出して当該車種の年次登録台数データをもとに将来のタイヤの取替数を算出する。これらをサイズ毎に集計して年間の予測需要量を求めると言うものである。本研究の成果は現在株式会社ブリヂストンと共同でシステム化して一部ツールとして運用されている。本研究で提案した再生過程モデルは車とタイヤの組合せだけでなく,一般的にシステムと取替部品の組合せに対して応用可能である。

【特許】

特開2007-080082

【キーワード】

経営システム工学 需要予測 確率過程