理工学部

応用化学科

fukuzawa

福澤 信一 / フクザワ シンイチ

理工学部応用化学科・教授

高付加価値有機化合物の効率的合成を目指した新規錯体触媒の開発

1 簡便に複雑な骨格の化合物を合成するクリックケミストリーの手法に注目し,これを利用してトリアゾール環を含む新規の光学活性フェロセニルホスフィン配位子Click Ferrophos®を開発した(図)。この,ロジウムおよびルテニウム錯体はそれぞれ,アルケン,ケトンの不斉水素化反応を高立体選択的に触媒し,最高99.7% eeの選択性で生成物を得ることができる。現在,この触媒の実用化を目指し触媒回転率や有用化合物への応用を研究している。
2 代表的なクリックケミストリーとして,アジドとアルキンとの環化付加反応が知られているが,この欠点は爆発性のアジドを使用することである。研究者らは,容易に入手できるアルコールの酢酸エステル誘導体を原料に用い,単一の銅触媒を用いて,アジドへの変換と続くアルキンとの環化付加反応によりトリアゾール誘導体の合成に成功した。この反応は,一つのフラスコ中でアジドを単離をすることなく安全に,簡便に行える。また,銅触媒は連続する二つの異なった反応を触媒するので,触媒の有効利用になる。

Click Ferrophos®のX線解析図

【キーワード】

合成有機化学 錯体・有機金属触媒 不斉合成反応