口から摂取された食品の咀嚼から嚥下にいたる過程に対して,食品物性,官能評価や生理学的手法など様々な角度から研究がなされている。咀嚼や嚥下過程は身近な現象であるにも関わらず,直接観察が困難なため,その過程をモデル化し実験との比較を行うことによって現象を理解することが重要であると考えられている。
最近我々は脆性的固体とみなすことができる生ニンジンを試料として咀嚼後の食片を解析することにより,咀嚼のダイナミクスを考察した([1],[2])。その結果,摂食過程に対しても物理学的な考察が有用であることを示すことができた。現在様々な食品に対して同様の解析を行っている。
日本社会の人口構造の大きな特徴として,高齢者の割合が多いことがあげられる。この傾向は今後さらに進むことが予想されるため,高齢者を対象とした研究の必要性が叫ばれている。本研究で得られた知見を応用することで,高齢者の皆さんが安心して健康的に食べられる食品の開発などに繋がれば有意義であると考えている。
[1] N. Kobayashi, K. Kohyama, Y. Sasaki and M. Matsushita, J. Phys. Soc. Jpn. 75 (2006) 083001.
[2] N. Kobayashi, K. Kohyama, Y. Sasaki and M. Matsushita, J. Phys. Soc. Jpn. 76 (2007) 044002.
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